TEDxKeioU
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株式会社PANDASTUDIO.TV様 インタビュー

株式会社PANDASTUDIO.TV様 インタビュー

2025/12/16

11月17日、TEDxKeioU実行委員会は株式会社PANDASTUDIO.TV様にて活躍されている中村 央理雄様へインタビューをさせていただきました。株式会社PANDASTUDIO.TV様は、レンタルスタジオ事業を中核に、中継・配信事業や機材レンタル、スタジオ構築支援など、映像作りの土台を支える存在として多くのプロフェッショナルから信頼を集めていらっしゃいます。インタビューの中では、企業の歴史や事業内容を中心に、中村様のお考えも伺いました。


【プロフィール】
中村央理雄 様
株式会社PANDASTUDIO.TV ソリューション事業部


【インタビュアー】
本部・大井


【記事編集・撮影】
本部・脇村・大井




インターネットバブルを乗り越えたこその業歴


大井: まず、パンダスタジオ様の事業内容について簡単に教えていただけますでしょうか。


中村様: 簡単に言うと、一番は機材のレンタルです。ただ、実は機材だけでなく、スタジオのレンタルや、機材やスタジオ全般を管理するシステムの提供も行っています。


大井: 幅広いサービスを提供なさっているのですね。事業内容を広めていくに至ったその経緯も教えて頂けますでしょうか。


中村様: もともと私たちは、ウェブシステム、具体的にはeラーニングのシステムを作っている会社だったんです。創業はITバブルの1999年ごろで、当時は「マルチメディア」という言葉が生まれた時期で、段ボールいっぱいのVHSテープがたった2枚のCDに、そしてシステムへと進化する時代でした。


e-Learningのシステムは売れるものの、そこに導入する教材(コンテンツ)の制作が進まないという課題がありました。高価なe-Learningシステムを導入しても教材が一つしかない、という状況で、あまり普及しないことが当時の課題でした。


そこで、「eラーニングの教材なら簡単なビデオでいいはずだ」と考え、当時の映像業者に相談しましたが、「10分の教材を作るのに30万円かかる」という返答でした。そこで、自分たちで秋葉原のビルにスタジオを作って安価で教材作成ができる環境を整えようとしたのが始まりです。


そのスタジオは徐々に、ニコニコ動画などの生中継の配信で使用されるようになりました。日中はeラーニングの撮影、夜はニコニコ動画の撮影という具合で、当時は一日中スタジオをフル稼働させていて大盛況でした。



中村様:この時のスタジオ運営を通じて、急な番組でカメラが必要になった際など、企業は機材を借りるのに苦労しているということを知りました。当時は機材をレンタルするために登記謄本を提出して審査をしてもらう必要があったのです。この審査も1週間ほどかかりました。


スタジオ運営のためにカメラを何台か購入しましたが、特別なことがない限り撮影は1台で十分でした。そこで余っている機材などを知り合いに貸し始めたことをきっかけに、機材レンタル業をあくまでもスタジオ貸し出しの「おまけ」という形で始めたんです。そのレンタル業が、様々な人に必要とされ、今に至ります。


本部: なるほど。インターネットバブルを乗り越えてきた、歴史ある会社なんですね。その時々で時代に柔軟に対応する中で、今に至ったとは存じ上げませんでした。



「何でも揃う」が理想形


本部:パンダスタジオ様が、注力なさっている事業分野はどこでしょうか?カメラやPC、Wi-Fiなど本当にいろいろ扱っていらっしゃるので。


中村様: 特にこれといった分野にこだわっていないんです。まさに、その 「なんでも扱っている」が理想形で。


例えば、一般企業が、本業ではないが機材を使うようなことがしたい、でも映像会社に頼むほどでもない、という時に、「パンダならレンタルできる」という状態にしたいと思っています。実際に、ウェブ会議用のスピーカーやマイクのセットなど、痒い所に手が届くような商品はやはり需要も大きいですね。


大井: なるほど、私たちの団体のイベントにご協力いただいた際も、「パンダ様で頼めば欲しいものが何でも揃うね!」と盛り上がりました。パンダスタジオ様のお陰で、自分たちのアイデアを実際の形に落とし込むことができました。


中村様: 「何でも揃う」まさにそういった状態を目指しています。我々は、業務用の超高級機材から、修学旅行生向けの1日数X0円のカメラまで、幅広い予算とニーズに対応することで、多様化するユーザーの使い道をなるべくカバーしたいと考えています。


最近はプロでなくても機材を使う人が増えているので、学園祭で使えるスピーカーセットや、映画用のシネマレンズなど、プロ以外のニーズにも応える形で機材の在庫を増やしています。企業が自前でメディアを持つようになり、よりかっこいい映像を撮りたいという要望も増えているので、高価なシネマレンズなどもレンタルできるようにしているんです。


普段は使わないけど、高いクオリティが必要なときや、急な案件で外部業者に頼むのでは間に合わないときなどの選択肢として我々を選んで頂けるようにしたいんです。



本部: パンダスタジオ様が扱っていらっしゃるような機材となると、購入すると相当な費用ですし、文化祭など特定の機会しか使わないならレンタルの方が良いですよね。


常に最新の機材を借りられるのもメリットだと思います。ちなみに、古くなった機材はどうされているんですか?


中村様: 中古で売却しています。レンズは中古市場がしっかりしているので、比較的価値が落ちにくいのですが、GoProやOsmoなどのアクションカメラは、新製品が出る頻度が早いので、古いモデルは度々中古販売しています。ただ、少し前のモデルを好んで借りるお客様もいるので、すべてを売却するわけではないんです。貸し出しのデータと照らし合わせながら販売する量を調整しています。


本部: 中古商品の販売は主に一般のお客さん向けですか?それとも業者向けですか?


中村様: 特にこだわりはないですが、弊社の顧客だと、一般のお客様よりも企業が多数なので、基本的には業者に安価で販売する形です。あとは、ハードオフさんなどが買いに来て、彼らが一般のお客様に売るというパターンもありますね。


本部: 今パンダスタジオ様が保有していらっしゃる機材の点数はどれくらいあるのでしょうか。


中村様:実はHPで最新情報を公開していて、 商品の種類は13,493種類、個数だと83,267個あります。そして、だいたい1日1,000件くらい出荷しています。


(参考:パンダスタジオレンタル レンタル実績一覧


本部: すごい数ですね。配送や管理にもご苦労がありそうですね。


中村様: 以前は自分たちで配送センターに持ち込んでいましたが、今は配達会社の倉庫の中に機材を保管していて、注文が入ると自動で出荷してくれるシステムになっています。


(参考:パンダスタジオレンタル 23区特急便


本部: それは効率的ですね。各所からの信頼があるからこその仕組みだと感じます。


大井:少し話題が変わりますが「パンダスタジオ」の名前の由来を教えていただけますか?


中村様: 一番最初、秋葉原にあったスタジオは、上野と秋葉原の境の位置にあったんです。そしてたまたま白い壁のスタジオと黒い壁のスタジオがあって、、、(笑)名前を決めるときに、ちょうど上野でパンダブームが来ていたこともあり「パンダスタジオ」に決まりました。


本部: キャッチーで愛されやすい名前で良いですね。




AI時代を生きる学生に向けて


本部: 最後に、中高生を含む学生たちへ、メッセージを頂けますか。近年生成AIなどの技術が発達してきていることで、例えばカメラ一つとっても、「自分で撮る」ことの価値が変わってきているように感じます。お考えをお聞かせください。


中村様: そうですね、最近はAIで動画生成もできますが、AIが生成できない部分や、生成AIっぽいものが嫌いというニーズもあるはずです。生成AIが進化する中で、人間がどう住み分けをするのか、考えてみて欲しいと思いますし、それが面白いところだと私は感じています。


また、カメラも、スマホの進化で一眼レフが不要になるという話もありますね。あえて暗くしたい箇所なのに、AIは勝手に補正してしまうなどの課題もあると思いますし、スマホは人間の目で見ているよりも綺麗に撮れるなんてこともあります。どちらが良い・悪いという結論は難しいですが、多様化していく表現の中で、今後どうなっていくのかを、危惧するというよりは楽しみにしています。



【編集後記】
 今回のインタビューを通じて、株式会社PANDASTUDIO.TV様の、時代の変化に即して事業を柔軟に進化させていくという、常に挑戦を続ける姿勢に大変強い感銘を受けました。
 また、中村様のお話を伺い、高価な機材を私たち学生でも安価にレンタルできるこのサービスの価値を改めて感じた次第です。そして、企業だけなく学生を含む幅広い利用者の視点を常に意識し、利用しやすい環境を整えていらっしゃるからこそ、多岐にわたる年代・団体から厚く支持されているのだと得心致しました。
 お忙しい中、長時間にわたり貴重なお話をお聞かせ下さり、誠にありがとうございました。
TEDxKeioU 2025 “Boom!!”にご出展いただいた際の様子は下記URLからご覧頂けます!


YouTubeURLhttps://youtu.be/mbvidgPjJXE?si=kphkpwhrBx5Mnf_s


TEDxKeioU実行委員会 Co-Director of Partner Division 大井こはる